第412章 太ももにしがみつく

「大野家のことを知ったところで、何になるの?何か悪だくみでもするつもり?」橋本奈奈は白洲隆がとても退屈だと思った。白洲隆が冷静さを保ち、大野宏に何度も騙されないようになっただけでも大進歩だというのに、まだ大野家のことに首を突っ込もうとしている。

「奈奈さん、そんな言い方しないでよ。知れば知るほど、見れば見るほど、将来的にもっと理解できるようになるんだ。僕が学び成長する機会を奪わないでくれよ!」白洲隆は納得がいかなかった。以前は状況を知らなかっただけで、今は知ったからこそ学んでいる、成長しているんだ!

白洲隆にうるさく言われてどうしようもなくなった橋本奈奈は、本を置いて言った。「じゃあ、どうしたいの?」

「大野家に一体何が起きているのか知りたいんだ。大野家は私たち白洲家に頼み事をしているんだ。僕の目的はただ一つ、今回の件を混乱させて、大野家が以前のように私たちの家を利用しながら、まるで自分たちが被害者であるかのような態度を取れないようにすることだ。気持ち悪いよ」大野家がいつもと違う態度を取れば取るほど、今回の問題が以前のものよりも深刻で重要だということを示していた。