第425章 電話をかけて人に助けを求める

「戸川先生、ありがとうございます」橋本奈奈は頷いた。なんと去年、二人がまだ関係を持つ前から、斎藤お兄さんは彼女のためにこんなにたくさんのことをしてくれていたのに、彼女は全く知らなかったのだ。

「帰りなさい、しっかり勉強して、あなたに良くしてくれる人たちを失望させないように」戸川先生は橋本奈奈をとても重視していた。これまで教えてきた多くの生徒の中で、橋本奈奈は高校まで成長しても成績が少しも落ちることなく、安定して維持できる珍しい女子生徒だと感じていた。

戸川先生は数学の教師で、橋本奈奈は数学も得意だった。

心理的には、戸川先生は橋本奈奈に理系を選んでほしかった。そうすれば、自分が引き続き橋本奈奈を教えることができるからだ。

しかし橋本奈奈の文系の成績も理系に劣らず、文系を選んでも間違いではなかった。