022 賀川さん:一緒に寝るのを待っているの?(2更)

鐘见寧の頭が真っ白になった。

彼女はこの部屋で数日間寝ていたが、インテリアが寒色系なだけで、賀川礼の服一枚すらなく、ましてや他の物もない。当然、ここが彼の部屋だとは思いもしなかった。

賀川礼は彼女の困惑を見抜いたようで、さらに言い添えた。「普段はここに住んでいない。」

「あの夜、君を連れて帰った時、佐藤ママは事前に知らなかったから、客室の掃除もしていなかったし、それに……」

「私たちは夫婦なんだから、彼女が君を私の部屋に案内したのは、当然のことだよ。」

鐘见寧は唇を噛んで頷いた。「おっしゃる通りです。」

その後、沈黙が続いた。

鐘见寧の頭の中には、様々なことが浮かんでいた。

彼女は結婚した。

目の前の人は彼女の夫!

じゃあ、今夜はどうする?

一緒に寝るの?

どうやって寝るの?誰が外側で、誰が内側?寝る前におしゃべりする?……

結婚したからには、すべてを受け入れる覚悟をしなければならない。この結婚で、彼女は既に十分な恩恵を受けている。同じ部屋で過ごすことすら受け入れられないなら、将来、彼と一緒に実家に帰って家族に会う時はどうするの?

賀川家の人々は、普通の人じゃない。簡単にごまかせるような相手じゃない。

だから彼女は賀川礼に向かって微笑んだ。

賀川礼は彼女の緊張と困惑を見抜き、口元に笑みを浮かべた。「出て行かないの?」

「え?どこへ?ここは私たちの部屋だって言いませんでした?」

「じゃあ、私が着替えるところを見るつもり?」

「……」

鐘见寧は大いに恥じ入り、慌てて振り返った。「失礼します。」

彼女は足取りも乱れ、まるで逃げ出すように部屋を出て、彼のためにドアを閉めた。賀川礼はドアが閉まる瞬間、目に笑みを深め、思わず軽く笑い声を漏らした。

彼女は先ほど、いったい何を考えていたのだろう……

家を追い出されても、ずっと気を張って、誰にも自分の惨めな姿を見せまいとしていたのに、さっきは、可愛らしかった。

鈴木最上と木村海はリビングにいて、奥様が嬉しそうに階段を上がって行き、たった数分後には真っ赤な顔で降りてきて、佐藤ママの手伝いをすると言って、キッチンに飛び込んでいくのを見ていた。

またしばらくして、ご主人が降りてきた。

機嫌が良さそうだった。