唇の間の熱気で、彼女の耳まで血が上って熱くなった。
手のひらが熱く、鐘见寧は強く握り締めて、少しでも意識を保とうとした。心臓が激しく鼓動し、胸を打ち付け、めまいを感じるほど速かった。
前回のキスは、確かに酔っていた。
感覚はそれほど鮮明ではなかった。
今回は、
冷静で、理性的。
彼女がまだその軽いキスに酔いしれている間に、賀川礼はすでに冷静に身を屈めて、落ちたライターを拾い上げた。
「甘いね」と一言。
その瞬間、
鐘见寧の頭の中が真っ白になった。
普段は無愛想だが、いつも優雅で物腰の柔らかい賀川さんが、こんな風に彼女を弄んでいるの?
甘い?
何のことを言っているの。
賀川礼は彼女の考えを察したようで、さらに付け加えた:「線香がとても良い香りだ。甘い香りで、私は…」
「とても気に入った!」