064 抱きしめて:私を心配してくれたの?嬉しいよ(4話)

「お、お前は何を言っているんだ?できないって?」鐘見月は信じられない様子で彼を見つめた。あの夜は高槻柏宇が酔っ払っていたから、何も起こらなかったと思っていた。

しかし高槻柏宇は酔いつぶれて何も覚えていなかったため、鐘見月は彼に罪をなすりつけようと考えた。

「お前こそできないんだろう。俺はあの時期だけだったんだ!」

できないと言われ、高槻柏宇は完全に激怒した。

これは男のプライドに関わる問題だった。

「あの時お前が一晩看病してくれて、歓迎会で初めてあんなに大勢の前に立って怖かったと言うから、付き合ってあげたんだ。」

高槻柏宇はその部分に薬を使っていて、何もできない状態だったため、鐘見月が自分を陥れようとしているとは思いもよらなかった。

だから警戒もしていなかった。