「お、お前は何を言っているんだ?できないって?」鐘見月は信じられない様子で彼を見つめた。あの夜は高槻柏宇が酔っ払っていたから、何も起こらなかったと思っていた。
しかし高槻柏宇は酔いつぶれて何も覚えていなかったため、鐘見月は彼に罪をなすりつけようと考えた。
「お前こそできないんだろう。俺はあの時期だけだったんだ!」
できないと言われ、高槻柏宇は完全に激怒した。
これは男のプライドに関わる問題だった。
「あの時お前が一晩看病してくれて、歓迎会で初めてあんなに大勢の前に立って怖かったと言うから、付き合ってあげたんだ。」
高槻柏宇はその部分に薬を使っていて、何もできない状態だったため、鐘見月が自分を陥れようとしているとは思いもよらなかった。
だから警戒もしていなかった。