068 彼女の服を脱がすべきか否か(2更)

「姉さん、それは過去の話だよ」賀川野は慌てて笑いながら言った。

「緊張しないで、ただ聞いてみただけよ」鐘见寧は淡い笑みを浮かべ、声を抑えて言った。「私、彼と結婚したんだから、そんなこと気にしないわ」

「ただ彼の過去のことが気になって、もっと知りたいだけ」

「だって普段あまり話さないし、コミュニケーションも少ないから」

賀川野は頷き、彼女の言葉にもっともだと感じた。

「兄貴は確かに忙しすぎるよ。この前なんて、家に帰って寝ることもなくて、姉さんを一人にさせちゃって、俺も見てられなかったよ」

「実は、兄貴のプライベートなことはあまり知らないんだ」

「でも、兄貴のことを好きな人は確かに多いよ」

「そう...」鐘见寧は唇を噛んで、「そうなの」

「おかしいよね、俺だって見た目悪くないし、性格もいいのに、なんでみんな兄貴ばっかり好きになるんだろう?」

「女の子が俺に近づいてきて、すごく優しくしてくれて、年上だったけど...姉さん女房も悪くないなって思ってたのに...結果は...」

「その子が好きだったのは兄貴だったんだよ!」

賀川野は自分の顔を触った。

自分はかっこいいと思うんだけどな!

鐘见寧は賀川礼との出会いを思い返していた。この男は、細やかで、優しくて、思いやりがあって、キスの仕方まで上手い。

見たところ、

かなり経験豊富そうだ。

まあ、この年齢なら経験があるのも普通か。

鐘见寧は自分でも気づかないうちに、頭の中は賀川礼のことでいっぱいになっていた。CTルームに着くまで、入口には数人が検査を待っていた。

検査はすぐに終わり、帰り道で思いがけず知人に出会った。

「まさに因縁だね」賀川野は舌打ちした。

鐘見月だった。

彼女の顔全体が腫れ上がっていて、特に鼻と目がひどかった。目は糸が入っていて、昨日泣きすぎて腫れてひどい状態で、鼻に至っては...

少し歪んでいるようだった。

整形手術から回復していないのに化粧をし、いろいろと取り繕って、昨日は鐘見肇に殴られた。

以前は清楚な感じだったのに、今は本当に醜くなっていた。

「うわ、この目、悲しいカエルみたいに腫れてる」賀川野は舌打ちした。

鐘見月はそれを聞いて、半死半生の怒りを覚えた。

怨念の眼差しで、鐘见寧を睨みつけた。

まるで火に油を注いだのは彼女だとでも言うように。