夕暮れ時、賀川礼はベッドに横たわる鐘见寧を見つめた。
彼女の唇は熱で血の気を失い、夕陽の光が部屋に差し込み、病室全体が巨大なオレンジジュースに浸かっているようだった。
何かが泡立ちながら湧き上がるように、心が乱れた。
賀川礼は立ち上がり、カーテンを引いた。わずかな隙間だけを残し、ドアの小窓が遮られると、部屋は隙間から漏れる陽光以外に光がなくなった。
彼はお湯を用意し、着替えは佐藤ママが準備したものだった。
パジャマの他に、下着も当然あった。
賀川礼の瞳が沈んだ。
「寧ちゃん」
彼が低い声で彼女の名を呼ぶと、鐘见寧はただ小さく呟いた。
彼は少し躊躇してから、手を伸ばして彼女のパジャマのボタンを外した。
襟元が少し開き、下着の縁が見えた。
白い肌と黒い下着。
色の強烈なコントラスト。
そのとき彼女は特に弱々しく、人の心を揺さぶるような姿だった。
純粋さと色気が同居していた。
彼の喉仏が上下に動いた。
鐘见寧もそれに合わせて目を開け、胸元の涼しさを感じ、眉をしかめながら、喉が乾いて締め付けられるように言った。「何をしているの?」
「着替えを手伝って、体を拭こうと思って」
「……」
鐘见寧は熱で朦朧としていたが、感覚も意識もなくなっているわけではなかった。「野は?」
「外にいる」
賀川野はまだ帰っていないかもしれない。彼女は常に、彼らが夫婦であることを意識していた。
同じベッドで寝始めた時から、覚悟はできていた。
契約に署名したからには、あれもこれもというわけにはいかない。重要なのは、彼女が賀川礼の親密さを拒絶していないということだった。
それに、体がべたついて気持ち悪かった。
「ご迷惑をおかけします」
室内は薄暗く、彼の影が彼女を覆い、指が彼女の背中の蝶骨に触れた。
彼の指先は熱く、彼女の体を緊張させた。
鐘见寧は小さく二度うめき、体がまた熱くなるのを感じた。
子猫のような声。
甘くて柔らかい声。
彼女は体が弱っており、そのまま彼の肩に寄りかかり、薄い下着一枚だけを身につけ、息遣いが彼の首筋に不規則に当たっていた。
賀川礼は体を強張らせ、指が彼女の背中をさまよいながら、なかなか外せないでいた。
耐え難く、
彼の喉仏が再び動き、鐘见寧は思わずそれに触れた。