区役所?
婚姻届を出しに!
賀川野は瞬時に元気になった。
鐘见寧は今日戸籍簿を受け取ったばかりで、彼が早めにと言っていたのは知っていたが、こんなに早くスケジュールに入れるとは思っていなかった。彼女の驚きに気づいた賀川礼は眉を上げ、「明日、他の予定がある?」
「ないわ」鐘见寧は首を振った。
ただ、彼女の頭の中は鐘見曜の言葉でいっぱいで、振り向くと、目立つ場所にあるヒヤシンスの花束が目に入った。
「お嫂さん、これは兄さんからのプレゼントです」賀川野が先に言った。
鐘见寧は花束を抱きしめ、目を細めて賀川礼を見た。「ありがとう」
彼女が花を持って部屋に戻ると、賀川野は興奮した表情で兄の前に寄って、「兄さん、明日何時に婚姻届を出しに行くの?僕も連れて行って」
「お前が何しに来る?」