119 帰京、中秋おめでとう(3更)

お爺さんは忙しく立ち回り、菜園の手入れをしたかと思えば、夕食の準備具合を尋ね、次男一家に早く帰ってくるよう催促していた。

賀川博堂は眉をひそめた。「お父さん、まだ早いですよ」

「祝日なんだから、仕事もないのに、何をぐずぐずしているんだ!」

「それぞれ用事があるでしょう。お父さんみたいに暇じゃないんです」

「礼が会社を引き継いでから、次男は若くして引退したんだ。何の用事があるというんだ?」

「会社を引き継いでから、食事も睡眠も不規則になって、胃腸を壊し、体調も悪くなったと。仕事で怪我をして、養生が必要だと言ってます」

お爺さんは鼻で笑った。

養生なんてくそくらえ。

この老いぼれに付き合いたくないだけだ。

「三男は?もう一度催促してくれ。今日は本当に帰って来られないのか」