140 彼は衣冠禽獣そのものだ

一言で、昨夜の記憶が呼び起こされ、様々な感情が押し寄せてきた。

この時、

賀川礼の彼女の心の中のイメージは完全に覆された。

でもそれはまだ大したことではない、

結局、彼が夢中になった時に意図的に言った言葉こそ、本当に聞くに堪えないものだった。

彼女を赤面させ、崩壊させなければ気が済まなかった。

本当に耐えられない。

鐘见寧がもがきながら床に降りると、賀川礼は彼女が転ばないように、細くて柔らかい腰を掴んだ。洗面所の鏡に映る彼女の肌は、皮を剥いたライチのように白かった……

彼が近づいて頬にキスをすると、また薄紅色に染まってしまった。

「やめて、歯を磨かないと」

歯も磨いていないのに、キスなんてできない。

「自分のことをしていいよ」

賀川礼はドア枠に寄りかかって彼女を見つめ、だらしない表情を浮かべていた。