空は一日中曇っていて、激しい雨が降り始めたのは夜の7時過ぎだった。
鐘见寧は布団で顔を覆っていた。
まさか彼とソファーからベッドまで……
一日中イチャイチャしてしまうなんて。
鐘见寧、あなたって本当に堕落したわね!
彼女は少し腹を立てていて、賀川礼が水を持ってきた時、彼を睨みつけたが、その眼差しは彼にとって全く脅威ではなく、むしろ可愛らしく見えた。
それに、彼に対して何もできないのが悔しい。
彼を怒らせても、まるで綿を蹴るようなものだった。
鐘见寧は携帯を手に取った。江口晗奈が30分前にメッセージを送ってきて、雨のため、また今度会おうと言ってきた。彼女が「いいよ」と返信すると、江口晗奈はファンタの写真を送ってきた。
「従姉の家の猫、ぽっちゃりしていて可愛いでしょう」
「従姉が出張の時、うちに連れて来て遊んでもいい?」
鐘见寧は江口晗奈が時々忙しいことを知っていたが、彼女の家にはお手伝いさんがいて、定期的に掃除をし、ついでに猫の世話もしてくれる。
賀川礼は眉を上げた:「だめだ」
「どうして?」
「猫が好きなら、他の猫を買えばいい。あの猫はダメだ」
「でもファンタ可愛いじゃない」
「あいつの去勢手術に連れて行ったのは俺だ。それ以来、まるで俺が手術したかのように恨まれている。いつも睨みつけてくる」
「……」
「うちに来るたびに走り回って、猫の毛を撒き散らす」
明らかに、この猫は根に持つタイプで、彼に仕返ししているのだ。
鐘见寧は笑いを抑えきれなかった。
賀川礼が一匹の猫に手を焼いているなんて、思いもよらなかった。
「まだ猫のことを気にかける余裕があるなんて、まだ疲れていないようだね」賀川礼は彼女を見つめ、鐘见寧は布団にくるまり、明らかに触られたくない様子だった。
やりすぎて、
足が痛くて辛い。
鐘见寧は自分が怪我をしているんじゃないかとさえ思った。
賀川礼は布団ごと抱きしめ、彼女の眉間にキスをした。「僕が自制できなかった」
彼も抑制しようとしたが、
効果は微々たるものだった。
彼女は軽く鼻を鳴らし、相手にしなかった。
——
夕食はデリバリーを頼んで、鐘见寧は粥を少しずつ飲みながら、仕事の電話に出ている賀川礼を見ていた。
普段はあんなに厳格で真面目なのに、服を脱いだら、まるで別人のよう。