172 いわゆる自業自得、甘えすぎ

鐘见寧は気持ちを落ち着かせて、「姉さん、病室まで一緒に戻りましょう」と言った。

江口晗奈は頷いた。

二人は道中無言で、雰囲気は極限まで重苦しかった。木村海も尋ねる勇気がなかった。もし亡くなった奥様の自殺が岸許豊令と関係があるのなら、大変なことになるだろう。

賀川家の皆は、この奥様とはとても仲が良かった。

特に……

賀川家の末っ子。

彼は自分の兄とそれほど年が離れていなかった。岸許玲伊が嫁いできた時、彼はやっと歩けるようになったばかりで、年老いてからの子供だったため、お婆様はその時体調を崩していた。家には乳母や家政婦がいたものの、やはり岸許玲伊が面倒を見ることが多かった。

いわゆる兄嫁は母のようなものだが、この末っ子は彼女に対して並々ならぬ感情を持っていた。

結局、物心がついた頃からほとんど彼女に育てられたのだから。

その時の彼女への感情は、実の両親に対する感情さえも超えていたと言えるほどだった。

早くに亡くなってしまったが、皆に残したのは美しい思い出ばかり。

誰もの心の中で、永遠に輝く月のような存在だった。

そしてもうすぐ命日を迎える。年末年始でも必ずしも帰ってこない旦那様だが、毎年前奥様の命日の前後には必ず墓参りに戻ってくる。

木村海はため息をついた:

まずい!

実の兄妹なのに、そこまで酷いことができるものだろうか?

——

その時、病室では鐘见寧はネットショップの仕事どころではなく、まだ呆然としている江口晗奈を見て、「姉さん、彼女は酔っ払って適当なことを言っただけかもしれません。酔った時の言葉なんて、真に受けられないでしょう」

「酒は本心を表すとも言うわね」

「信じるの?」

「でも彼の性格が大きく変わったのは、確かに伯母さんが亡くなった後よ。あの時は皆、深い悲しみのせいだと思っていたから、母も彼のことをよく理解していたわ」

江口晗奈はベッドに座り、全身が冷え切っているように感じた。

彼女の記憶の中では、父と伯母は仲が良かった。

伯母は優しい人柄で、彼女が亡くなった後になって初めて、スマイリングデプレッションという言葉の意味を知った。

「寧、この件については私にもう少し考えさせて。礼の前では、まだ言わないでね」彼女は家族にどう切り出すべきか、よく考える必要があった。

「分かりました」

鐘见寧は頷いた。