173 突然の告白:君のことが大好き(2更)

彼は白いシャツと黒いズボンを着て、黒いジャケットを羽織っていた。照明が彼の肩に落ちて、銀白の月光を纏っているようだった。

いつ来たのかわからないが、長い間そこに立っていたようだ。いつもの温かく情熱的な様子とは違い、言い表せない冷たい気品があった。手には黒いバッグを持っていたが、中身は分からなかった。

江口晗奈は眉をしかめた。

なぜ彼が?

彼女は目を離さずに彼を見つめ続けた。彼が目の前まで来て、笑いかけた。「どうした?私が分からないのか?」

「なぜここにいるの?」

「友人のお見舞いだ。偶然君に会えた。暗くて、目の錯覚かと思ったよ」子犬は彼女を見つめた。「具合が悪いのか?」

彼女はまだ病衣を着ていた。

「少し怪我をしただけ。入院する必要もなかったのに」

「病室まで送ろうか?」