161 渣男成敗（3）家から追い出され、大任に堪えず

お婆さまは言った。「私は一生で息子と娘を一人ずつ育てました。結婚の時、蕴と博堂を実の娘と息子のように扱うと約束しました。だから財産は彼らにも分け与えます。」

「礼と晗奈にも、もちろん分け与えます。」

お婆さまは江口蕴にお茶を入れるよう合図を送り、喉を潤した。

彼女は鋭い目つきで、息子と結城梦乃を睨みつけた。

「お前たち二人は...」

「岸許豊令、お前は普段から仕事に身が入らず、会社はお前の手にかかってから成長が止まってしまった。お前が無能で役立たずなのは理解できる。誰もが生まれながらにして商売の才能があるわけではないからね。」

「でもお前は外で女遊びをし、今では妊娠までさせて、私に尻拭いをさせようとしている。」

「他人のために、妻や娘の気持ちを踏みにじり。」

「他人と手を組んで、自分の甥を陥れようとした。」

...

「自分勝手で、私が田舎に帰ってからこの数年、私に会いに来たことは何度あった？不孝者め、自分で考えてみなさい、この数年間、何をしてきたのか！」

心が冷めるのは、一朝一夕ではない。

お婆さまも長い間我慢してきた。「お前は50歳を過ぎた。母親として、私はお前に対して十分な義務を果たしてきた。私はお前に老後の面倒を見てもらう必要はない。同様に...」

「お前には私の財産を一銭たりとも相続する資格はない！」

「息子に家業を継がせたいなら、自分で頑張って財産を築きなさい。私の財産のことは、もう気にかける必要はないわ。」

その言葉の意味は：

一文無しで追い出すということだ！

「母さん、冗談はやめてください。」

岸許豊令は焦った。

本当に焦っていた。

お婆さまは低く笑った。「私がお前と冗談を言ったことがあったかしら？」

「そんな...」

結城梦乃はこの言葉を聞いて、焦りと怒りを感じた。「お婆さま、私のお腹の中にいるのは、あなたの実の孫ですよ。他人に財産を残しても、実の息子や孫には残さないのですか？」

「黙りなさい！」斎藤叔父が突然声を上げた。

「礼儀知らずめ、お前如きが口を挟む資格があるのか？」

結城梦乃はその怒鳴り声に、体を縮こませた。

お婆さまは笑って言った。「彼女を怖がらせないで。妊娠しているのだから、何かあったら私たちに責任を押し付けてくるでしょうから。」