162 渣男撃退(4)骨の髄まで腐っていて、また犬系男子と出会う

このような良い姑がいて、長年病に苦しんでいたからこそ、江口蕴は彼女をこれ以上刺激したくなかった。

「あなたは良くやってくれました。家庭をよく世話し、晗奈もよく育ててくれて、ご苦労様。これからは、自分の望む人生を送ってください…」

江口蕴は頷いた。

「お母様が今回帰ってきて…」

家の恥を外に晒したことを責めるかと思った。

老婦人は口元に微笑みを浮かべた。「こんな恥ずかしい事が起きた以上、強引に口を塞いでも隠せるものではありません。彼が礼に手を出すなんて、骨の髄まで腐っているということです」

「彼はもう子供ではありません。根本的な部分が駄目なら、救うのは難しい」

「幸い私がまだ生きています。そうでなければ、この岸許家は彼に台無しにされていたでしょう」

「もし私が先立ってしまったら、亡き夫に顔向けできません」