藤崎朗真が再び目を覚ますと、広々とした山の中にいた。夜になっており、彼は木に縛り付けられ、周囲は静寂に包まれていた。
必死に助けを求めたが、返ってくるのは山風のうなりだけだった。
周囲では、鳥や獣の鳴き声が聞こえていた。
遠くの木々は夜の闇の中で黒い影となり、まるで山々に潜む野獣のようだった。
不気味な雰囲気が恐ろしかった。
「助けて、助けて——」藤崎朗真は叫んだ。「誰かいないのか!」
誰も応答しなかった!
もがいてみたが、手は木の後ろで縛られ、片方の手は折れたままで、少しでも動くと傷が擦れ、骨まで染みる痛みで冷や汗が流れた。
しばらく叫び続け、声は嗄れた。
誰も応答しないまま、藤崎朗真は怒り狂った。「賀川礼、お前はまだ人間か?」
「出てこい!俺をここに縛り付けるだけの度胸があるなら、出てこいよ!」