鐘见寧はたくさんのお菓子を持ち帰り、賀川野は食いしん坊なので、少し味見をして美味しいと思い、家族にも分けてあげて、彼女に尋ねました。「お義姉さん、どこで買ったの?」
「友達からの贈り物よ」
「その友達、まだ友達募集してる?僕も友達になりたいな」
「……」
鐘见寧は思わず笑ってしまいました。
明らかに食べ物目当てだったのです。
「今日、従姉妹に会いに行ったんでしょう?紹介してもらえる人がいたの?」賀川礼が尋ねました。
鐘见寧は頷きましたが、すぐに話題を変えました。「でも、適当な服が見つからなかったわ」
「大丈夫、晩餐会までまだ時間があるから、ゆっくり選べばいいよ」
賀川洵は焼きオートミールを食べながら、眉を上げました。
これは……
もしかして、あいつが作ったのか。
料理の腕、こんなに良かったのか?
「盛山家の晩餐会、お前は行くのか?」老人は末っ子を見ました。
賀川洵は頷きました。「盛山奥様が特別にお招きくださったので、行かないわけにはいきません」
彼はこういった行事に参加したくありませんでした。面白くないと思っていましたが、湯川千秋が直接招待してくれたので、この面子は立てなければなりませんでした。
「盛山家の今回の晩餐会には、大勢の人が来るそうだ。もし良い娘がいたら、気に入ったら追いかけろ。書斎に籠もって、図面ばかり描いているんじゃない」賀川様は眉をひそめました。「お前ももう若くないんだぞ」
「父さん、仕事があるんです」賀川洵は言いながら、立ち上がって出て行きました。
「賀川洵、そこで止まれ!私が話している途中だぞ!」
彼は聞こえないふりをしました。
老人は怒って鼻を鳴らしました。「この不孝者め、真面目な話をすると必ず逃げ出す」
「それは縁がまだ来ていないということでしょう」老夫人は焦っている様子はありませんでした。「結婚は、最も妥協してはいけないものです」
鐘见寧が部屋に戻ると、盛山庭川から電話がかかってきて、指輪が出来上がったが、最近晩餐会の準備で忙しく、直接渡しに行けないと伝えてきました。
「私が取りに行きます」サイズが合わない可能性もあるので、試着する必要がありました。
「じゃあ、アシスタントに迎えに行かせます」
——
その時、和楽園では、樱庭司真と江口晗奈がそれぞれ思いを抱えていました。