259 男の妲己は誘惑する妖精(2話)

鐘见寧はたくさんのお菓子を持ち帰り、賀川野は食いしん坊なので、少し味見をして美味しいと思い、家族にも分けてあげて、彼女に尋ねました。「お義姉さん、どこで買ったの?」

「友達からの贈り物よ」

「その友達、まだ友達募集してる?僕も友達になりたいな」

「……」

鐘见寧は思わず笑ってしまいました。

明らかに食べ物目当てだったのです。

「今日、従姉妹に会いに行ったんでしょう?紹介してもらえる人がいたの?」賀川礼が尋ねました。

鐘见寧は頷きましたが、すぐに話題を変えました。「でも、適当な服が見つからなかったわ」

「大丈夫、晩餐会までまだ時間があるから、ゆっくり選べばいいよ」

賀川洵は焼きオートミールを食べながら、眉を上げました。

これは……

もしかして、あいつが作ったのか。

料理の腕、こんなに良かったのか?

「盛山家の晩餐会、お前は行くのか?」老人は末っ子を見ました。

賀川洵は頷きました。「盛山奥様が特別にお招きくださったので、行かないわけにはいきません」

彼はこういった行事に参加したくありませんでした。面白くないと思っていましたが、湯川千秋が直接招待してくれたので、この面子は立てなければなりませんでした。

「盛山家の今回の晩餐会には、大勢の人が来るそうだ。もし良い娘がいたら、気に入ったら追いかけろ。書斎に籠もって、図面ばかり描いているんじゃない」賀川様は眉をひそめました。「お前ももう若くないんだぞ」

「父さん、仕事があるんです」賀川洵は言いながら、立ち上がって出て行きました。

「賀川洵、そこで止まれ!私が話している途中だぞ!」

彼は聞こえないふりをしました。

老人は怒って鼻を鳴らしました。「この不孝者め、真面目な話をすると必ず逃げ出す」

「それは縁がまだ来ていないということでしょう」老夫人は焦っている様子はありませんでした。「結婚は、最も妥協してはいけないものです」

鐘见寧が部屋に戻ると、盛山庭川から電話がかかってきて、指輪が出来上がったが、最近晩餐会の準備で忙しく、直接渡しに行けないと伝えてきました。

「私が取りに行きます」サイズが合わない可能性もあるので、試着する必要がありました。

「じゃあ、アシスタントに迎えに行かせます」

——

その時、和楽園では、樱庭司真と江口晗奈がそれぞれ思いを抱えていました。