賀川礼と鐘见寧が交際を公にしてから、すでに物議を醸していたが、今回の粗悪な香料製造販売事件で、彼女は更なる批判の的となった。
「一体誰のしわざだ!」賀川野は家で激怒していた。「この件は絶対に誰かが仕組んだに違いない!」
「見つけたら、ただじゃおかない」
鐘见寧は店を閉め、賀川野は収入源を失った。
彼の収入源を断つなんて、我慢できるはずがない。しかも義姉さんの製品作りには、ほぼ全工程に関わっていたが、ピーナッツの殻や香料などを見たことは一度もなかった。
そう言いながら、兄の方を見て、「兄さん...」
賀川礼は無表情のままだった。
「もしかして、兄さんの元カノの仕業じゃないの?義姉さんが兄さんと結婚したのを妬んで、表立って挑発はできないから、陰で悪さをして、こんな汚い手段を使ったとか?」