307 言い訳をしたが、一刺しを食らった(5更)

盛山漱花は体の横に置いていた指が突然強く握り締められた。

息が荒くなり、怒りで肝が震えた。

彼女は真鍋美鈴が扱いやすいと思い込んで家に入れたのだが、おとなしい犬だと思っていたのに、実は人を噛む狂犬だったとわかり、盛山漱花は雷に打たれたようだった。

顎を噛みしめ、口腔内が血が出そうなほどだった。

真っ直ぐに飛びかかって、この生意気な娘を殺してやりたかった。

「何を馬鹿なことを言っているの!」

「また証拠がないって?」

「お兄さん、お義姉さん、私が一時の迷いで、悪魔に魅入られて、こんな畜生を家に連れてきてしまいました。彼女は庭川を誘惑して、お金持ちの家に嫁ぎたいだけで、それが失敗すると、今度は私が人殺しだと言い出す始末です。きっと狂ってしまったのでしょう!」

盛山誠章も眉をひそめた:「真鍋お嬢さん、この件は警察が既に結論を出しています。事故です。発言には気をつけてください。」