308 蛇蝎の女、腐った心の持ち主(6更)

町田克純は続けて言った。「私は既に退職願を出しました。結婚の際に頂いた株式も、全て庭川に譲渡しました」

「町田克純!」盛山漱花は呆然とした。「あなた、狂ったの?何をしているの?」

「この数年間、盛山家から頂いたものは、全てお返しします」

「株を盛山庭川に渡すなんて、頭がおかしくなったんじゃないの!」

盛山漱花は歯ぎしりをしながら言った。「盛世の株を持ちたくないなら、せめて私たちの娘にあげるべきでしょう。他人に渡すなんて、どういうことよ!」

「そうよ、お父さん?」盛山心結も困惑した表情を浮かべた。

「こんなことをするなら、せめて私たちと相談してくれてもよかったのに。誰かに脅されているの?」

町田克純は穏やかな笑みを浮かべた。「他人?庭川は私が見て育てた息子同然だ。つまり、あなたの中で、彼はずっと他人だったということか?」

「あなた...」盛山漱花は怒りで歯ぎしりした。

先ほどは慌てて、言葉を選ばなかった。

「株式は大爺様が結婚前に私に贈与したもので、夫婦の共有財産ではありません。私がどう処分するかは私の自由で、誰にも報告する必要はありません。それに...」

「私は既に弁護士に依頼して、離婚協議書を作成してもらいました」

町田克純はカバンから綴じられた数枚の書類を取り出した。「盛山漱花、私たち、離婚しましょう」

「夫婦共有財産も、子供も、私は一切要りません。身一つで出ていきます」

周囲からどよめきが起こった。

こんな時に離婚?

盛山家の芝居はますます面白くなってきた!

「お父さん、何してるの?どうして母さんと離婚なんてするの?二十年以上も結婚して、ずっと仲が良かったじゃない!」

「見せかけだよ」

「町田克純、私と離婚したいなら、言っておくけど、絶対に認めないわ。あなたの全ては私たち盛山家が与えたもの。盛山家を離れたら、あなたは何者でもないのよ!」

町田克純は低く笑った。「そうかもしれないね。誰が気にするというの」

盛山漱花は矢のように飛び出し、離婚協議書を奪い取って引き裂き、床に投げ捨てた。「私は同意しない!」

「それなら裁判するしかありませんね。この時期に、こんな醜い争いをしたいんですか?」

町田克純のこの言葉に、盛山漱花の顔は真っ黒になった。