309 全ては芝居、あの日の真相(7更)

皆が息を飲んで静まり返った。

大切な情報を聞き逃すまいと。

盛山漱花は冷笑を浮かべた。「結局、証拠なんてないじゃない!」

「でも私には、あなたが会社の資産を流用し、家の骨董品まで売り払った証拠がある。盛山漱花、因果応報というものよ。この件の証拠がなくても、私はあなたを刑務所に送れる」

「お父様、十数年前に海外から落札された八大山人・朱耷の書画ですが、当時は三千万円以上でしたね。今の評価額は億を超えているはずです」

「お帰りになって、その書画がまだあるかご確認ください」

彼は盛山大爺様を見つめた。彼の言葉は具体的すぎた。

しかも巨額の金額に関わる話だった。

盛山漱花は彼の前に駆け寄り、平手打ちを食らわせた。

「町田克純、この畜生!」

「今日のあなたがあるのは私のおかげよ。どうしてこんなことができるの」