皆が息を飲んで静まり返った。
大切な情報を聞き逃すまいと。
盛山漱花は冷笑を浮かべた。「結局、証拠なんてないじゃない!」
「でも私には、あなたが会社の資産を流用し、家の骨董品まで売り払った証拠がある。盛山漱花、因果応報というものよ。この件の証拠がなくても、私はあなたを刑務所に送れる」
「お父様、十数年前に海外から落札された八大山人・朱耷の書画ですが、当時は三千万円以上でしたね。今の評価額は億を超えているはずです」
「お帰りになって、その書画がまだあるかご確認ください」
彼は盛山大爺様を見つめた。彼の言葉は具体的すぎた。
しかも巨額の金額に関わる話だった。
盛山漱花は彼の前に駆け寄り、平手打ちを食らわせた。
「町田克純、この畜生!」
「今日のあなたがあるのは私のおかげよ。どうしてこんなことができるの」