311 親族会、盛山文音と呼ぶべきか

宴会場にて

シャンデリアが放つ光は眩いばかりに輝き、鐘见寧は盛山家の者たちに囲まれながらゆっくりと壇上に上がった。その姿は光り輝き、まるで月を取り巻く星々のように、この瞬間……

彼女はこの世のすべての幸せを手に入れたかのようだった。

「その鐘见寧って、孤児じゃなかったの?」壇下では、噂が飛び交っていた。

「幼い頃に事故で行方不明になったらしいけど、彼女を見つけられたのは本当に奇跡的なことよ」

「可哀想な子ね。もし行方不明にならなければ、ずっと盛山家で育って、きっと小さな頃からお姫様のように大切にされていたはずよ。あんな辛い思いをすることもなかったのに」

「なるほど、だから盛山若社長が最初から彼女を特別扱いしていたのね。早くから気付いていたのかしら?」

「きっと兄妹だからこそ、心が通じ合っていたのでしょうね」