個室にて
盛山文音は湯川俊夫の隣に寄り添い、鳥を撮影する時の面白い話を聞きながら、彼の家でシロハヤブサを見に行く約束をしていた。
「シロハヤブサを見に来る時は、賀川家のあの小僧も連れてきなさい」と湯川俊夫は咳払いをした。
「誰のことですか?」
文音は一瞬戸惑った。
「君の義理の弟だよ」
「……」
「この前、シロハヤブサを見たいとしつこく言ってきて、雀みたいにうるさくてね。連絡先を交換してからは、毎日三食挨拶してくるんだ」
文音は小さく笑った。「もしお邪魔だと思われるなら、後で彼に言っておきます」
湯川俊夫は咳をして、「まあ...そこまで邪魔じゃないがね」
「それに、あの小僧は体力があるから、鳥撮影に付き合ってくれて、機材も運んでくれる」
この話を聞いて、文音は笑いを必死に堪えた。