320 寧ちゃんの助攻？叔父様のお見合い？（2話）

賀川洵は自分の父親が何を考えているのか知るよしもなく、食事を済ませると工事現場へ向かった。

老人は妻に近づき、小声で言った。「洵に見合いを勧めようと思うんだ」

老婦人はそれを聞いて笑った。「あの子が怒って何か騒ぎを起こすんじゃないかしら？」

「友達作りだと思えばいいさ」

「最近は機嫌がいいみたいだから、また追い詰めて夜逃げさせないでよ」

「……」

「寧」梁井佳音は突然盛山文音を見て言った。「結婚するんだから、ずっと礼の前の部屋に住むわけにもいかないでしょう。新しい部屋を用意させたわ」

二人は旧邸で、賀川礼が独身時代に使っていた部屋に住んでいた。

少し狭かった。

「ありがとうございます、梁井叔母さま」

「遠慮することないわよ。近いうちに人を手配して、新しくデザインし直して改装するわ」

新婚の部屋は、それらしい雰囲気が必要だ。

盛山文音はこの話を聞いて、ふと思いついた。「最近知り合ったインテリアデザイナーがいるんです。兄の後輩なんですが、彼女のデザインスタイルがとても気に入っています」

「あなたが気に入ったならそれでいいわ。今度家に来てもらいましょう」梁井佳音は初めて結婚式を準備することもあり、諸事煩雑で頭を悩ませていた。

賀川博堂は彼女にアドバイスをした。「全部ウェディングプランナーに任せたらどう？彼らの方が専門的だし、あなたも楽できるよ」

しかし梁井佳音は承知せず、自分で全てを取り仕切りたがった。

彼女は元々何人かのデザイナーを探して盛山文音に選んでもらおうと思っていたが、気に入った人がいるならそれに越したことはない。

賀川礼は表情を変えずにいた：

妻は助け舟を出そうとしているようだ。

ただ、最近叔父さんが何も動きを見せていないのが気になる。それとも、自分が何か見逃しているのだろうか？

賀川洵が動かないわけではなく、ただ目の前にいる人だから焦る必要がないと考えていた。

結局のところ、

追い詰めすぎると、また逃げ出すかもしれない。

——

盛山文音は盛山家で半月ほど過ごし、賀川家旧邸に戻る時、湯川千秋は名残惜しそうに、自ら送って行こうとした。

盛山庭川は困り果てた。妹が帝都に嫁いでよかった。もし地方に嫁いでいたら、母は家族全員で引っ越そうとしたかもしれない。

賀川家に戻った日、彼女は応接間で町田克純に出会った。