350 小叔母を奪おうとする人がいて、賀川さんの腹黒さ(2話)

菅野望月は以前アクセサリーを身につけていなかったため、湯川千秋は何気なく尋ねただけだった。

「ただの普通のネックレスです。服に合わせただけで」彼女は気まずそうに笑いながら、セーターの中からペンダントを引っ張り出した。

盛山文音と賀川礼は軽く一瞥しただけだった。

綺麗だと思っただけだ。

しかし盛山家の者たちは皆彼女を注視していた。プロは見所を知っているのだ。

「そのネックレスの天然の黄翡は、品質が非常に良く、ダイヤモンドも天然だ」盛山庭川が評価を下した。「なかなかいい」

「どこで買ったの?」

菅野望月は微笑んで、「海外のジュエリーショップで、綺麗だと思って買ったんです。掘り出し物だったみたいですね」

話している間に、湯川千秋は彼女に箱を渡した。開けてみると、クリスマスにぴったりな可愛いりんご型のピアスだった。赤と緑の宝石で飾られており、一目で高価なものだとわかった。「おばさま、これは受け取れません」