362 暴露、叔父:私は彼女を追いかけている(4)

賀川洵はゆっくりと立ち上がった。仕立ての良いスーツを着こなし、髪は自然な乱れ方で、立ち上がった時に手首の黒金の腕時計が覗いた。控えめな優雅さが全身から漂い、その風格が際立っていた。

彼はいつもそうだった。栄辱に動じることなく。

林昊洋は彼の言葉に胸が締め付けられ、慌てて言った。「賀川先生、誤解されています。私がどうして先生の判断に口を挟めましょうか。」

「しかし、菅野望月と二宮一鳴の盗作は明白な事実です。」

「たとえ盛山家との関係を考慮されているとしても、彼らを見逃すわけにはいきません。悪を助長することになります。」

菅野望月は頭が爆発しそうだった。

今夜の出来事は、完全に予想外の展開だった。

「誰が悪を助長すると言った?」賀川洵は林昊洋に視線を向けた。その眼差しは……

冷淡で、無関心だった。

林昊洋は心底震え上がった。

そのとき、鈴木最上が会場の脇から素早く近づき、賀川洵の耳元で何かを囁いた。彼は軽く頷き、二宮一鳴を見つめた。「さっき、私の作品に触れる機会がなかったから盗作はありえないと言ったな?」

賀川洵を前にして、二宮一鳴は動揺していた。

特に、彼がゆっくりと自分に向かって歩いてくるのを見て。

その声は穏やかでゆっくりとしていたが、どこか鋭い刃物のような殺気を秘めていた。

まるで、隠された刃のように。

彼を殺そうとしているかのように。

事態がここまで発展してしまい、二宮一鳴には後戻りの道はなかった。ただ頷くしかなかった。「あなたの作品は、すべて菅野望月が盗んで私に渡したんです!」

「つまり、彼女が首謀者で、お前は共犯というわけか?」

「そうです!」

彼の返答は、力強く、自信に満ちていた!

「まず、これを見てから話そう。」賀川洵が合図すると、鈴木最上はすぐに動いた。

すぐに、大画面の映像は一つの動画に切り替わった。

背景は病院だった。

賀川洵がブリーフケースを持って病室に入り、すぐに二宮一鳴と菅野望月も入っていった……

盛山庭川は呆然とした。

どういうことだ?

彼は元々、賀川洵が出てきたら必ず自分の師妹の潔白を証明してくれると思っていたのに、このビデオは一体何なのか?

このやつは師妹の病室で何をしていたんだ?