360 濡れ衣、非難:菅野望月は無実ではない(2)

一瞬にして、二宮一鳴は会場の注目の的となった。賀川洵の才能は既に認められており、誰もが彼の盗作だとは思わなかった。そして……

盛山庭川が既に証拠を示していた!

数ヶ月前に、賀川洵からの設計図を受け取っていたのだ。

一方、二宮一鳴の原稿は最近になって完成したばかり。

誰が盗作したのか、明らかだった。

二宮一鳴は完全に呆然としていた。

彼は細心の注意を払い、賀川洵や山河幾許の人々が自分を攻撃してくるのではないかと常に心配していたが、まさか盛山庭川が出てくるとは思いもしなかった。

さらに、この未公開の設計図が盛山家のために作られたものだとは。

なるほど、賀川洵が全く焦っていなかったわけだ。

周囲の疑惑の目に晒され、彼は頭皮が痺れ、全身が緊張し、地面に穴があれば入りたい気分だった。

「やっぱり、この設計図には格調の高さがある。もし彼に本当にそんな才能があるなら、今まで埋もれているはずがない」

「賀川先生の作品を盗作するなんて、よくもやった」

「賀川先生は本当に優しい方だ。きっと早くから気付いていたのに、一言も言わなかった。おそらく彼を公衆の面前で辱めたくなかったんだろう。本当に厚かましい」

「盗作野郎、出て行け!」

……

どんな業界でも、他人の作品を盗作することは人々の怒りを買う。

誰かが怒鳴り声を上げ、群衆の感情が沸き立った。

元々居眠りしかけていた秋月策人も背筋を伸ばした。

おやおや——

面白い展開になってきた。

賀川野は即座に飛び上がった。「このクズ野郎、うちの叔父さんの作品を盗作するなんて!うちには誰もいないと思ったのか?」

秋月策人は笑い出した。

一方、賀川洵は極めて冷静で、それは盛山庭川さえも呆れさせた。

彼は賀川洵が気に入らなかったが、盗作はもっと憎んでいた。

だから……

賀川洵が黙っているなら、彼も盗作者が表彰台に立つのを許すわけにはいかなかった!

自分が彼のために立ち上がったというのに、この男は傍観者のように椅子に寄りかかって、まるで見物しているかのようだった。

菅野望月は画面に映る二宮一鳴の設計図を見つめ、先輩の説明を聞いて初めて、あの既視感の正体を理解した。しかし、まさか同僚が賀川洵の作品を盗作するとは思いもよらなかった。