389 退廃的な美しさ、心を乱す

賀川洵は満面の笑みを浮かべ、盛山庭川を見つめながら笑った。「先輩、顔色が良くないようですが、最近何か悩み事でもあるのですか?」

「別に」

「仕事のことでないなら、お見合いがうまくいかないとか?」

菅野望月は深いため息をついた。

やれやれ、

食事も始まっていないのに、もう始まってしまったのか?

彼女は盛山文音の方に寄り添いながら、戦場から距離を置こうと「賀川さんは今夜いらっしゃらないんですか?」と尋ねた。

「海外で提携の話があって、二日後に戻ってくる予定よ」元々のプロジェクトに問題が発生したため、賀川礼は急遽海外出張を決めたのだった。

「賀川さんがいないと、なんだか嬉しそうね?」

盛山文音は笑うだけで何も言わなかった。

最近、ある人が子作りに熱心で、それなのに二人でこんなに頑張っているのに全く動きがない。彼女は以前、足の手術をした時に全身検査を受けたし、賀川礼も毎年健康診断を受けているが、二人とも特に問題はなかった。

そのため賀川礼は原因を:

努力が足りないせいだと結論付けた。

ある人が海外に行ったおかげで、盛山文音もようやく二日間は平和に過ごせそうだった。

「先輩、お酒でもどうですか?」賀川洵は注文する時に盛山庭川を見た。

「何でもいい」

すると、ある人はわざと一番高価なお酒を選んだ。

盛山庭川はお金がないわけではないが、賀川洵が明らかに彼をカモにしているのが気に入らなかった。恋愛くらいで、そこまで得意げになる必要があるのか?彼は妹を見つめた:

あなたの人を管理しなさい!

菅野望月は一晩中、板挟みの状態だった。

この二人のどちらの味方をしても後で恨まれそうだったので、むしろ二人の内輪もめに任せることにした。行ったり来たりするうちに、盛山庭川は意外とたくさん飲んでいた。一方、賀川洵は酒に強いため、酔った様子は見られなかった。

「お兄様、そろそろ帰りましょう」盛山文音は時間も遅くなってきたことを確認した。

「本邸には帰らない」

「じゃあ、あなたのマンションまでお送りしましょうか?」

湯川俊夫が彼の住まいを占領していたが、この二日は帝都郊外で乗馬や鳥撃ちをするため早起きが必要で、最近は帝都郊外のあるリゾート村に滞在していた。そのため盛山庭川のマンションは当然空いていた。