420 二重の逆転、目を焼く光景(2話)

金子隼人の顔色が一瞬で変わった!

支配人が近づいた時、彼も一瞬にして困惑の表情を浮かべた。

男の荒い息遣い、

女の甘い吐息、

時折聞こえる卑猥な言葉に、支配人は苦笑いを浮かべながら、「金子若様、私が部屋を間違えたのかもしれません。スタッフに確認してまいります」

この言葉は、明らかに言い訳だった。

支配人も馬鹿ではない。結局のところ、この金子隼人は松本雨音の元婚約者で、今では義理の妹の婚約者だ。中にいるのは恐らく松本さんで、むやみに入れば、これだけの人がいる中で、彼女は今後人前に出られなくなるだろう。

湯川俊夫は眉をひそめた。彼は冷静さを保っていた。この声は……

彼の若い友人のものではないようだ。

そのため支配人は金子隼人を制止し、二人が言い争っている間、彼は腕時計を見て、立ち去ろうとした。