420 二重の逆転、目を焼く光景(2話)

金子隼人の顔色が一瞬で変わった!

支配人が近づいた時、彼も一瞬にして困惑の表情を浮かべた。

男の荒い息遣い、

女の甘い吐息、

時折聞こえる卑猥な言葉に、支配人は苦笑いを浮かべながら、「金子若様、私が部屋を間違えたのかもしれません。スタッフに確認してまいります」

この言葉は、明らかに言い訳だった。

支配人も馬鹿ではない。結局のところ、この金子隼人は松本雨音の元婚約者で、今では義理の妹の婚約者だ。中にいるのは恐らく松本さんで、むやみに入れば、これだけの人がいる中で、彼女は今後人前に出られなくなるだろう。

湯川俊夫は眉をひそめた。彼は冷静さを保っていた。この声は……

彼の若い友人のものではないようだ。

そのため支配人は金子隼人を制止し、二人が言い争っている間、彼は腕時計を見て、立ち去ろうとした。

若い友人と関係ないのなら、忘年会に戻るべきだ。

これ以上遅れれば、姉が怒るだろう。

金子隼人はますます腹が立っていた。松本雨音と付き合っていた時も、彼女に触れたかったが、彼女は初めての時を婚約式の夜まで取っておきたいと言い、その時の彼は松本咲良に夢中で、雨音を堅物だと思い、彼女の体に興味がなかった。

しかし、彼女が年上の男に身を任せていると思うと、腹が立って仕方がなかった!

支配人を押しのけ、

一蹴り、

「バン!」という音とともにドアを蹴り開けた。

「松本雨音!」ドアは簡単に開いた。

金子隼人の怒鳴り声に、部屋で絡み合っていた二人は体を震わせた。

「きゃあ!」女性の悲鳴が響き、多くの人々が集まってきた。

金子隼人が各部屋をノックし、支配人と言い争っていたため、多くの客が個室から顔を出して様子を窺っていた。悲鳴を聞いて、好奇心旺盛な人々が前に押し寄せた。

部屋の中では、中年の男女が半裸の状態で、個室の片隅のソファで乱れていた。

その光景は、まさに見るに堪えないものだった。

「うわ、これって大人のおもちゃか?年甲斐もなく、派手にやってんな」

「若い子かと思ったら、この年でこんなに激しくやってるなんて、ちっ」

「っていうか、この女性どこかで見たことあるような?」

……