金子隼人の顔色が一瞬で変わった!
支配人が近づいた時、彼も一瞬にして困惑の表情を浮かべた。
男の荒い息遣い、
女の甘い吐息、
時折聞こえる卑猥な言葉に、支配人は苦笑いを浮かべながら、「金子若様、私が部屋を間違えたのかもしれません。スタッフに確認してまいります」
この言葉は、明らかに言い訳だった。
支配人も馬鹿ではない。結局のところ、この金子隼人は松本雨音の元婚約者で、今では義理の妹の婚約者だ。中にいるのは恐らく松本さんで、むやみに入れば、これだけの人がいる中で、彼女は今後人前に出られなくなるだろう。
湯川俊夫は眉をひそめた。彼は冷静さを保っていた。この声は……
彼の若い友人のものではないようだ。
そのため支配人は金子隼人を制止し、二人が言い争っている間、彼は腕時計を見て、立ち去ろうとした。
若い友人と関係ないのなら、忘年会に戻るべきだ。
これ以上遅れれば、姉が怒るだろう。
金子隼人はますます腹が立っていた。松本雨音と付き合っていた時も、彼女に触れたかったが、彼女は初めての時を婚約式の夜まで取っておきたいと言い、その時の彼は松本咲良に夢中で、雨音を堅物だと思い、彼女の体に興味がなかった。
しかし、彼女が年上の男に身を任せていると思うと、腹が立って仕方がなかった!
支配人を押しのけ、
一蹴り、
「バン!」という音とともにドアを蹴り開けた。
「松本雨音!」ドアは簡単に開いた。
金子隼人の怒鳴り声に、部屋で絡み合っていた二人は体を震わせた。
「きゃあ!」女性の悲鳴が響き、多くの人々が集まってきた。
金子隼人が各部屋をノックし、支配人と言い争っていたため、多くの客が個室から顔を出して様子を窺っていた。悲鳴を聞いて、好奇心旺盛な人々が前に押し寄せた。
部屋の中では、中年の男女が半裸の状態で、個室の片隅のソファで乱れていた。
その光景は、まさに見るに堪えないものだった。
「うわ、これって大人のおもちゃか?年甲斐もなく、派手にやってんな」
「若い子かと思ったら、この年でこんなに激しくやってるなんて、ちっ」
「っていうか、この女性どこかで見たことあるような?」
……