432 入室、本当は彼女のことが好きじゃない?

年末が近づき、外は人と車で混雑し、各レストランは満席だったため、おばあさんは盛山庭川を見て、自ら提案した。「うちで食べませんか?私が料理を作りますよ」

「それは……」庭川は躊躇した。

「私の料理が美味しくないと思うの?」

「お体が良くないので、無理をさせたくないんです」

「大丈夫よ」

こうして、盛山庭川は家に上がることになった。

入る前に、仕事の電話があると言い訳して、団地の入り口のスーパーで贈り物を買った。年末なので手ぶらでは良くないと思ったのだ。戻ってきたとき、マンションの廊下で松本雨音が男と話しているのを見かけた。

「……あの夜のことは、あまり覚えていないので、彼女の潔白を証明することはできません」

「でも羽沢さんによると、その薬はあなたのグラスに入れられたはずなのに、なぜ田中社長が飲んでしまったのでしょうか?」