431 いわゆる普通の付き合いは、家に上がることになる(2更)

翌日、盛山庭川は賀川家へ行った。母親から妹に渡すものを預かっていたのだ。

立花安輝は賀川家と親しかったため、特に賀川礼を呼び出し、彼から紹介してもらえば、自分が直接頼むより承諾してもらえる可能性が高いと考えた。

「誰の診察ですか?」賀川礼は率直に尋ねた。

「松本さんのお祖母さんです」

「親しいのですか?」賀川さんは常に鋭く、義兄の様子を探るような目つきに変わっていた。

「普通の付き合いです」

普通?

わざわざ頼みに来るほどか?

この義兄は彼を騙そうとしているのか、それとも自分を欺いているのか?

昨夜の出来事については、既に弁護士から経緯を聞いていた。正直に言えば、彼は松本雨音を尊敬していた。一人の少女が数年間耐え忍び、一家の人でなしと表面的に付き合いながら、ついに願いを叶えたのだから。

「どうかしましたか?都合が悪いですか?」盛山庭川は眉を上げた。

「聞いてみましょう。後で返事します」

「ありがとう」

「家族なんだから遠慮は要りません。私も寧ちゃんも、あなたが早く良い人に巡り会えることを願っています」

「……」

盛山庭川は言葉に詰まった。

この賀川礼も叔父と同じように、なんて気に障る人になってしまったのだろう。

彼は意図的に話題を変え、尋ねた。「賀川洵は?」

「菅野お嬢さんを空港まで送っていきました。今日、実家に帰省するそうです」

二人が少し話をした後、前の広間に戻ると、盛山庭川は自分の助手がソファの前に立ち、コップを手に持ちながら水を飲み、昨夜の出来事を生き生きと描写しているのを目にした。

「……昨夜の警察署での出来事は本当に見ものでしたよ」

「松本夫婦が殴り合いを始め、引っ掻き合いに髪を引っ張り合い、そこへ松本咲良も来て、母娘で人でなし父親にダブルアタック。場面は相当激しく、私が撮った動画以上でした」

「そして松本さんがタイミングよく現れ、演技を始めると、人でなし父親は完全に感動してしまいました」

……

喉が渇いた時も、水を飲んで潤すのを忘れなかった。

水がなくなると、賀川野は急いで補充しながら言った。「山下兄、続けて、聞きたいです」

彼以外にも、盛山文音、賀川宪一、賀川凌介がいて、賀川家の老夫婦までもが興味深く聞いていた。盛山庭川は頭が痛くなった。