盛山家の宴会の日、会場は当初実家に設定されていたが、急遽変更され、帝都の高級ホテルに変わった。五、六卓ほどのテーブルが用意され、帝都圏の最高権力者たちがほぼ全員集まった。
盛山家はこの宴会を非常に重視していたらしく、会場の装飾まで湯川俊夫が自ら監督していたという。
とても祝賀ムードが漂っていた。
ホテルでの開催となったため、元々は知る人ぞ知る宴会だったが、今では多くの人が知るところとなった。
盛山庭川は不思議に思った。普段は社交的な宴会を最も嫌う叔父が、今回は特に熱心なようだ。何か見落としているのではないかと心の中で考えていた。
そのため、取引先との面会を終えるとすぐに四合院へ向かった。
「盛山若社長、湯川社長にご用でしょうか?」山下助手は好奇心を抱いて尋ねた。
「ちょっと聞きたいことがある。」
しかし、
ドアを開けると、叔父の姿はなく、松本雨音がハサミを持って花の枝を剪定しているところだった。強い日差しが差し込み、風のない晴れた日に、彼女の顔は一層艶やかに照らされていた。
「盛山若社長。」松本雨音は丁寧に挨拶した。
「なぜここにいるんだ?」
松本雨音が答える前に、湯川俊夫が家から出てきた。「ここは私の家だ。誰を招待するかについて、お前の許可が必要なのか?」
「そういう意味ではありません。」
「この時間に会社にいないで、私の家に何しに来た?」
「通りがかりです。」
山下助手は唇を噛んだ。
湯川社長に用があるとおっしゃっていたのに?
松本さんを見て本題を忘れるとは、まさに色に迷わされているようだ。
「今日は会社は暇そうだな。」湯川俊夫は実の甥を遠慮なく使役した。「ちょうど鳥の入浴の準備をしていたところだ。手伝ってくれ。」
鳥の入浴?
盛山庭川は呆れた。
叔父は一体どうしたというのか。
普通は春節前に大掃除をして入浴するものだが、年が明けてから鳥を入浴させるとは?
松本雨音が花の枝の剪定を終えて部屋に入ると、オウムが入浴している様子が目に入った。お腹にはタオルが巻かれ、小さな浴槽には、なつめやクコの実などが入っていた……
まさか薬湯とは。かなり養生的だ。
片隅では別の鳥がシャワーを浴びていた。
松本雨音は鳥が入浴やシャワーを浴びる様子を初めて見た。
ただ感心するばかり: