454 彼女を一歩一歩と落としていき、抗えない(2話目)

松本雨音は彼のことが好きだったので、拒むことができなかった。

彼の好き勝手にさせた。

キスが終わった時、唇の端で触れ合いながら、彼は掠れた声で言った。「昨日、君の初キスだった?」

松本雨音は何も言わず、黙って認めた。

すると彼は笑って、「偶然だね、僕も初めてだった」と言った。

その一言で、

また彼女の心臓が激しく鼓動した。

松本雨音、もうダメだ。

彼女は、あの人がツンデレで強情なところがあるから、二日ほど我慢すれば良いと思っていたのに、まさか翌日にまた彼と絡み合うことになるとは。盛山庭川は以前こんな風じゃなかったのに、告白してからは、まるで別人のようになってしまった。

もう対応しきれない。

本当に困った。

「もう遅いし、おばあさんを一人で家に置いておくのもよくないから、デザートをもう少し食べたら送っていくよ」盛山庭川は彼女の手を握ったまま離さなかった。「デザート、美味しいね」