松本雨音は彼のことが好きだったので、拒むことができなかった。
彼の好き勝手にさせた。
キスが終わった時、唇の端で触れ合いながら、彼は掠れた声で言った。「昨日、君の初キスだった?」
松本雨音は何も言わず、黙って認めた。
すると彼は笑って、「偶然だね、僕も初めてだった」と言った。
その一言で、
また彼女の心臓が激しく鼓動した。
松本雨音、もうダメだ。
彼女は、あの人がツンデレで強情なところがあるから、二日ほど我慢すれば良いと思っていたのに、まさか翌日にまた彼と絡み合うことになるとは。盛山庭川は以前こんな風じゃなかったのに、告白してからは、まるで別人のようになってしまった。
もう対応しきれない。
本当に困った。
「もう遅いし、おばあさんを一人で家に置いておくのもよくないから、デザートをもう少し食べたら送っていくよ」盛山庭川は彼女の手を握ったまま離さなかった。「デザート、美味しいね」