463 弟を巻き込んで、役立たずだった(2)

盛山庭川は多くを語らず、ただ彼女の表情を観察し、心配そうだった。

もしかして……

今夜、人前で彼女のことが好きだと言ったことで、彼女は不快に思ったり、困ったりしているのだろうか?

そのせいで自分のことを拒絶するのではないだろうか?

そのため松本雨音は長居せず、他の来客も次々と帰っていった。

盛山家と賀川家の人々だけが、一角のVIP休憩室に移動した。厚かましい秋月策人もまだ騒ぎに加わろうとしたが、秋月大爺様に蹴られ、さっさと帰るように言われた。

秋月策人は賀川野に目配せをした:

弟よ、何かゴシップがあったら教えてくれよ。

秋月大爺様は頭が痛くなりそうで、個室を出ながらも呟き続けた:「策人、お前ももう若くないんだから、もう少し落ち着いたらどうだ。礼を見習えよ」

「おじいちゃん、あいつは演技してるだけだよ。プライベートでどんなやつか知ってる?嫁さんだって騙して手に入れたんだぞ」

「それでも嫁さんを連れて帰ってきただろう。お前はどうなんだ?」

「僕がどうしたっていうの?」

「酔っ払って男にキスするなんて、まったく家の恥さらしめ!」

「おじいちゃん!」

秋月策人は慌てふためき、周りを見回して誰もいないことを確認してから、声を潜めて言った。「そんな恥ずかしい話、またしないでよ!」

「やる勇気はあるくせに、言われるのは嫌なのか?あの時、相手の男がお前を殴り殺さなかったのが不思議だ」

「本当におじいちゃんは僕の祖父なの?」

「お前、まだあの人に謝りに行ってないだろう」

「相手の顔も覚えてないよ」

「クズ男め」

「僕は……」

祖父と孫が言い争う中、秋月大婆様はただ首を振るばかりだった。

三人が去った後、横から数人が現れ、先頭の人物は三人の後ろ姿をしばらく見つめた後、部下に今夜のホールでの出来事について、世論の影響を最小限に抑えるよう指示した。

生涯無料というサービスを提供し、松本雨音のために世論を鎮めることについて、部下は思わず呟いた:「若旦那様、まさか盛山若社長と争うつもりではないでしょうね?」

その人物の顔が暗くなった。

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その時、盛山庭川は三方からの詰問を受けていた。