439 いわゆる緑雲の天蓋、奇妙な盛山若社長(2話)

秋月家の若旦那?

彼女が自分を断ったのは、秋月策人との約束があったから?

松本雨音は今や巨額の財産を持ち、美人で、以前婚約していたとはいえそれは彼女の過ちではなく、そばには体の弱い祖母がいるだけで、彼女を狙う男は多かった。

金子隼人は松本雨音が自分のことを好きだと思い込み、近くにいる利点を活かそうと考えていた。

しかし思いもよらず……

秋月策人が横やりを入れてきた。

親切にも車のドアを開けてあげるなんて?まさか彼も松本雨音に目をつけたのか?

そうなると自分には勝ち目がないじゃないか?

一瞬のうちに、

突然、緑雲の天蓋に覆われたような感覚に襲われた。

彼女は自分のことが好きだと言ったはず?なぜ他の男と目配せし合っているんだ?彼女の好意は本物なのか偽物なのか?

手に持ったバラの花を握りしめ、歯を食いしばった: