ファイルの中の紙には、多くの写真が印刷されていた。写真の画質から年代を感じさせるもので、そこには羽沢彩乃と様々な男性との写真が並んでいた。
露出の多い服装で、媚びを売るような姿勢。
背景から見ると、八十年代か九十年代のナイトクラブのようだ。
「まさか、不倫相手だってことは知ってたけど、ホステスだったなんて」
「若い頃は派手に遊んでたんだな」
「松本和彦は知ってたのかな?」
「多分知らなかったでしょう。当時の松本家は金も権力もあって、松本家の両親は体面を重んじる人たちだったから、ホステスを嫁に迎えるなんてありえないはず」
……
人々が口々に噂する中、羽沢彩乃は顔色を変えた。
松本雨音がこんなものを持っているとは思いもよらなかった。三十年近く前の写真が、よくも見つけられたものだと、彼女は地面から立ち上がり、「偽物よ、写真は合成!」と叫んだ。
「松本雨音、あなたのせいで私は身も名も失ったのに、まだ何がしたいの?」
「私に泥を塗って」
「私を死に追い込みたいの?」
「私が追い込む?」松本雨音は低く笑った。「後ろの方も見てみたら?もし昔の写真が合成だというなら、最近のはどう説明するの?」
「父を愛しているって口では言いながら、どうしてホストクラブで男性モデルと会うの?」
人々が後ろのページをめくると、
確かに羽沢彩乃と男性モデルの写真があった。
親密な様子で、見るに堪えない姿勢。
人々は、以前羽沢彩乃が松本和彦と警察署で揉み合った時、毎日滋養強壮のスープを作って飲ませているのに、ベッドで1分も持たないと言っていたことを思い出した。
「すごいな、この羽沢彩乃」
「あの年でまだ男性モデルと?」
……
議論が飛び交い、皆さっきまでの出来事を忘れたかのように、羽沢彩乃のプライベートに注目が集まった。
松本雨音は冷たく笑って言った。「写真が合成だと思うなら、警察に通報して、私を名誉毀損で訴えればいい」
彼女には分かっていた。羽沢彩乃と言い争っても意味がない。
むしろ全ての人に、彼女が根本的に腐っているということを教えた方がいい。
完全な腐れ外道の言葉に、どれほどの信憑性があるというの?
「一体何がしたいの!」羽沢彩乃は激しく言い放った。
「それは私が聞きたいセリフ」松本雨音はゆっくりと彼女に近づいた。