472 執着する人がいて、下手なのに遊びたがり

松本雨音は盛山庭川に引き止められ、二人はソファーでしばらくイチャイチャしていた。彼女が急いで病院に着いた時、ドアを開ける前から中から笑い声が聞こえてきた。

湯川千秋が来ていて、おばあちゃんと話をしていた。

「……このドレス、本当に素敵ね」二人は盛山文音の結婚写真を見ていた。

松本雨音は丁寧に「おはようございます」と挨拶した。「こんなに早くからいらっしゃったんですね」

「あなたにゆっくり休んでもらいたくて。私も家にいても特に用事がないし」

実際、湯川千秋にジュエリーデザインを依頼する人々が、盛山家の敷居が擦り切れるほど訪れていた。

ただ、息子の一生の大事と比べれば、他のことは重要ではなかった。

おばあちゃんの体調は良好で、数日間の入院後、立花安輝の許可を得て、療養センターに移ることになった。そこには専門のスタッフがいて、リハビリの手伝いもしてくれるので安心だった。

退院の日、盛山庭川が荷物の整理を手伝いながら、松本雨音に近づいて「今夜、時間ある?」と聞いた。

「何かあるの?」

「友達を何人か紹介したいんだ」

「いいわよ」

「私の後輩が食事会をしようとずっと言ってたから、この機会に他の友達も呼んで、紹介したいと思って」

松本雨音は頷きながら、手に持った花を整理して「ちょっと出てくるわ」と言った。

彼女はわざわざ花屋に戻り、自分で花束を作り、お礼の手紙も書いた。高価な贈り物は受け取らないと聞いていたからだ。

この時、立花安輝はすでに仕事の引き継ぎを始めており、近々海外に行く予定だった。そのため、最近は彼に診察を希望する患者が非常に多かったが、彼は数日前から診察を中止していた。それでも、多くの人々が彼のオフィスを訪れて懇願していた。

松本雨音が到着した時、彼の助手は外で患者とその家族に帰るよう説得していた。

立花安輝は彼女を見て微笑んだ。「おばあさんは今日退院ですね」

「はい、ありがとうございました」

「気にしないでください。彼女のリウマチは完治が難しく、完全な回復は望めません。年齢も考慮すると、日常的なケアとマッサージが重要です」と立花安輝は説明した。

松本雨音は頷きながら、彼の注意事項を一つ一つ記憶した。

「…もう申し上げた通り、立花先生は診察をしていません。病院の他の医師も優秀です」外の助手の声が自然と大きくなった。