476 いわゆる相性?私のこういう感じは好き?

羽沢彩乃は写真の中の、手を繋ぎ、肩を寄せ合って立っている二人を見つめていた。

甘く愛に満ちた姿は、見る者の羨望を誘う。

彼女は病床に横たわる娘に目を向けた。痩せ細って骨と皮だけになり、自分が歩けなくなったと知ってから、感情が非常に不安定になり、今は鎮静剤に頼って一時的な安らぎを得るしかない。

この先、彼女は二度と子供を産むことができない。

だから娘が彼女の唯一の頼りなのだ。

相手が提示した条件は、あまりにも魅力的だった。彼女が行動を起こすことに同意すれば、娘を海外に送り、最高の治療を受けさせ、最高の専門家に診てもらい、歩けるようにしてくれる。さらには新しい身分を与えて、人生をやり直すことさえできる。

特に相手の身分と能力を知ってから、羽沢彩乃の心は揺れ動いた。

それに、母娘がこのような目に遭ったのは、松本雨音が元凶で、盛山庭川は共犯者だ。