477 運命の再演、彼の命を狙う

「怖いの?」盛山庭川は低く掠れた声で、彼女の耳元で囁いた。

松本雨音は黙っていた。一筋の稲妻が夜空を引き裂き、一瞬の光が室内を照らした。彼女は盛山庭川の目の中の熱い眼差しをはっきりと見た。そして、彼女の赤く染まった顔は隠れる場所がなかった。

雷鳴が続いて響き、「ゴロゴロ」という音に、彼女の心臓も乱れて動揺した。

首筋を寄せ合い、熱い口づけが、彼女の体の上を少しずつ移動していく……

熱が一筋落ちて、

彼女の全身が火のように燃えた。

「怖がらなくていい。準備してないから、何もしないよ」盛山庭川はしばらくキスをしてから、笑って言った。

なぜなら……

避妊具がなかったから。

彼は松本雨音と付き合っているが、そういうことを目的としているわけではないので、当然そんなものを持ち歩くはずもなく、松本雨音に至っては、なおさら家にそういうものを用意しているはずがなかった。