第27章 血を吸われてはいけない

今夜、彼女はさらにパパラッチを手配して二人の私的な接触を撮影させようとしており、明らかに小林凌と会社の利益の底線に触れた。

小林凌は元々、木村雨音に大会後、自分の所属する会社と契約させようと考えていた。

今となっては、確かにその必要はない。自分の血と人気は、他人に吸われるためのものではないのだから。

……

木村雨音は小林凌以上に怒っていた。

彼女はパパラッチを呼んだことなど全くなく、今夜の待ち合わせ場所も時枝秋が手配したものだった。

彼女は小林凌と横澤蕾がカメラを設置して、時枝秋の謝罪と卑屈な求愛の様子を記録することを予想していた。どんな形で公開されても、藤原修は必ず目にするはずだ。そんな状況で、わざわざパパラッチを呼ぶはずがない。

「時枝秋?まさか時枝秋が手配したの?」木村雨音は心中で驚愕したが、時枝秋は彼女を相手にせず、浅湾別荘にも行けないため、確認のしようがなかった。

木村雨音が番組のスタッフ寮に戻ったばかりの時、スタッフからの通知を受け取った。「雨粒ちゃん、あなたと小林凌の共演の機会は取り消されて、あなたのグループの文岩薫里に変更になりました。」

「そんなはずない!ラッキーくじは私が自分で引いたのに!」木村雨音は驚いた。

「以前の抽選に誤りがあったため、変更となりました。」

誰も彼女の説明を聞かず、決定は下された。

木村雨音のこのラッキーくじは、確かに小林凌の助けがあって引き当てられたもので、彼女がより順調に昇級できるようにするためだった。

結局、指導者と一緒に演技するのは、特に小林凌のレベルともなれば、小林凌が少しでもシグナルを出せば、ファンは熱狂的に投票するだろう。

そうでなければ、なぜラッキーくじと呼ばれるのだろうか?

小林凌のグループで最も成績の良い選手で、番組全体でも現在1位の文岩薫里は、創作能力も歌唱力も非常に優れているにもかかわらず、小林凌との共演の「ラッキーくじ」を引く運はなかった。

それなのに、木村雨音が引き当てたのだ。

しかし今、木村雨音は終わりだ。小林凌はもはやそのような機会を与えないだろう。

今夜の密会がパパラッチに撮られた件が、木村雨音の仕業かどうかに関係なく、小林凌とマネージャーがそう思っているのなら、それで終わりだ。