第39章 グリーンティーの本質、白蓮の本質

時枝秋は目に笑みを浮かべながら「はい」と答えた。

彼女はスープを持って病室に戻った。

藤原千華はもう怒り心頭で、白目を剥きそうだった。

藤原修は時枝秋が来るのを見て、冷淡で疎遠だった表情が一瞬にして晴れやかになり、ようやく落ち着いてベッドに座り直した。

時枝秋は藤原修を見て、声が明るくなった。「スープを持ってきたわ」

「ありがとう」藤原修は少しかすれた声で、やや高めの調子で言った。「スープを飲んだら、一緒に夕食に行こう」

時枝秋は慌てて彼を制した。「お医者さんが言うには、まだ静養が必要で、食事も控えめにしないといけないって。夕食は急がなくていいわ」

「でも…」

「大丈夫よ。病気になったのは、故意じゃないんだから」時枝秋はスープを差し出し、目に笑みを浮かべながら言った。「私が付き添っているから」

藤原修の視線は一瞬も離れることなく時枝秋の瞳に注がれていた。

藤原千華は彼のその情けない様子を見ているだけで腹が立ち、時枝秋を放り出してやりたい気分だった。

心の中で時枝秋という小悪魔を恨みながら、以前から藤原修を手玉に取るのが上手かったのに、数日会わないうちにもっと手練手管が巧みになって、甘い言葉まで言えるようになったなんて。

まさに虎に翼を得たようなものだ!

そう思うと、藤原千華はすぐにスープ椀を受け取って言った。「私がやる」

このスープは時枝秋が一杯飲むのを見ていたので、もう疑う必要もなく、スプーンですくって藤原修の口元に運んだ。

藤原修は「飲まない」と言った。

「なぜよ?」藤原千華は怒って「私が飲ませるのは毒でも入ってるっていうの?」

藤原修は薄い唇を固く結んで飲もうとせず、冷たい表情で、藤原千華は彼の頭を叩きたくなった。

子供の頃からこんな性格で、気に入らないことがあると黙り込んで、薄い唇を結んで拒否する。

結べば結ぶほど、唇がボロボロになればいい。

心中怒りながらも、藤原千華はスープ椀を時枝秋に渡した。

時枝秋は笑いながら「ありがとうございます、藤原お嬢様」と言った。

藤原千華はますます腹が立ち、彼女を睨みつけた。

時枝秋は見なかったふりをして、スープを持ち、マスクを外し、慎重にスープを冷まして藤原修に飲ませた。

藤原修はすぐに口を開けて飲んだ。