時枝秋は目に笑みを浮かべながら「はい」と答えた。
彼女はスープを持って病室に戻った。
藤原千華はもう怒り心頭で、白目を剥きそうだった。
藤原修は時枝秋が来るのを見て、冷淡で疎遠だった表情が一瞬にして晴れやかになり、ようやく落ち着いてベッドに座り直した。
時枝秋は藤原修を見て、声が明るくなった。「スープを持ってきたわ」
「ありがとう」藤原修は少しかすれた声で、やや高めの調子で言った。「スープを飲んだら、一緒に夕食に行こう」
時枝秋は慌てて彼を制した。「お医者さんが言うには、まだ静養が必要で、食事も控えめにしないといけないって。夕食は急がなくていいわ」
「でも…」
「大丈夫よ。病気になったのは、故意じゃないんだから」時枝秋はスープを差し出し、目に笑みを浮かべながら言った。「私が付き添っているから」