第22章 くじ引き

彼女の言葉が自分への警告だと分かっていても、嫌いになったり責めたりする気持ちは全く湧かなかった。

むしろ心地よく感じた。彼の大切な女の子が、自分のことを心配してくれているのだから。

もし自分が傷ついたら、彼女も心配してくれるのだろうか?

そう考えると、思わず手に力が入って強く握りしめてしまった。

彼女はそうしてくれるだろうか?

時枝秋は痛みを感じ、足を引っ込めながら笑みを浮かべて言った。「お風呂に入ってくるわ」

藤原修の手の中が空になり、心もぽっかりと空いた感じがした。

しばらく考えた後、彼は携帯を取り出し、木村雨音のすべての連絡先をブロックした。

彼女のことをもっと知りたいと思っても、このような方法は間違っていた。

……

前回のライブパフォーマンスの後、残った三十人の選手たちはそれぞれ順位が付けられていた。

次の試合では、二回の成績を総合して、最下位の十人が脱落することになっていた。

だから次の試合は、全員にとって非常に重要だった。

「次はチーム戦です。皆さんの共同創作能力とハーモニー能力を試します」とMCが楽屋で次の試合のルールを説明した。「チーム内でくじ引きを行い、二人一組のデュオを組んで試合に臨み、投票を受けます。ルールによると、上位二十位までの選手のみが安全圏内となります」

「チーム内の人数が奇数の場合、一人がラッキーくじを引く機会があり、メンターと一緒に創作してステージに立つことができます」

「チーム内の人数が偶数の場合、同じ番号を引いた二人がペアを組みます。もし同じ番号を引いた二人が互いにペアを組むことを望まない場合は、一度だけ組み替えの機会が与えられます」

ルールを聞いて、時枝秋のチームで現在最も得票数の多い選手である重岡亜紀は、すぐに不機嫌になった。

紺野広幸のチームは元々七人で、二人ずつペアを組むと一人余る。

チーム内で最も成績の良い重岡亜紀は、全体で常に三位か四位を維持しており、安全くじを引いて紺野広幸と一緒に創作し、デュオを組める可能性が高かった。

このようなチャンスは、選手にとって非常に大きな加点となるはずだった。

時枝秋がこのチームを選んだことで人数が八人になり、重岡亜紀はそのチャンスを失ってしまったのだ。

彼女は時枝秋を冷たい目で見つめ、黙って横に座り、ノートを取り出して創作に没頭し始めた。