第50章 怪我をした

最下位の八人が脱落圏内に入り、まだ一度の復活のチャンスが残されていた。

だから木村雨音はこのチャンスを掴まなければならず、復活を目指さなければならなかった。

この時、彼女は時枝秋と藤原修の関係を引き裂くことどころではなかった。

もし自分が目立たなければ、時枝秋がいなくても、藤原修は自分なんて見向きもしないだろう。だから、彼女は惨めな形で退場することは許されなかった！

……

復活のチャンスは脱落圏内の選手にとって非常に重要で、他の選手も少しも油断できなかった。

なぜなら、復活のルールは、八人の選手がセーフゾーンの中から一人の選手を選んで個別にPKを行い、勝てば位置を交換でき、負ければ完全に脱落というものだったからだ。

挑戦されたセーフゾーンの選手が脱落圏内に入った後、再び一人の選手を選んで個別にPKを行うことができ、勝てば位置を交換でき、負ければ完全に脱落となる。

その場で必ず八人の選手が脱落することになっていた。

セーフゾーンの人々も、一時的な安全に過ぎなかった。

今回は個人PKだったが、堀口楓は相変わらず時枝秋の傍にいて、自分の練習成果を報告していた。

「時枝秋、この一節どう思う？」

時枝秋は頭を下げて彼女と議論していた。

他の選手が時枝秋の傍を通り過ぎる時、思わず口をへの字に曲げた。

小林凌のアンチと同様に、ほとんどの選手は時枝秋に納得していなかった。

なぜ毎日遅刻早退で、練習も熱心でない選手が、第三位まで上り詰めることができるのか？

後方支援部門の責任者である伊藤さんの話によると、時枝秋はバックに誰かがいるからこそ、順調に進んでいるのだという！

一体誰なのか、目が見えていないのか！

時枝秋はこれらの視線を気にせず、自分で堀口楓と一緒に議論を続けていた。

このプログラムに参加した以上、誰もが優勝を目指しており、実力が少し劣っていても、一回でも多く残ることを目指し、将来の発展のための基礎を築こうとしていた。

誰も無私の善人ではないので、時枝秋の気持ちを気にかける人もいなかった。

時枝秋が堀口楓と話している最中に、携帯が鳴った。

彼女はすぐに電話に出た：「はい、すぐ行きます！」

彼女は堀口楓に一言告げ、休暇を取った後、すぐに離れ、さらに全員の注目を集めることとなった。