第35章 本当に厄介者だ

それでも彼女は転生後に時間を見つけて急いで作り出したものだった。

原材料は極めて入手困難で、すぐには二本目を作ることはできなかった。

時枝清志は電話を切り、看護師にその目薬がどんな形をしているのか確認し、まったく同じ容器を用意して時枝お爺さんに届けさせた。

彼がそれを持って行くと、時枝お爺さんは非常に喜び、彼の手から目薬を受け取り、自ら点眼し始めた。

一滴だけ垂らしたところで、何かがおかしいと気づき、目薬を投げ捨てた。「私のものをどこに持って行った?」

目薬は間違いなく時枝清志の体に当たった。

……

時枝秋は朝食も終わらないうちに立ち去ろうとし、藤原修の長い眉は寄せられ、剣のような八の字を形作っていた。

「藤原修、今夜は家で食事する?」時枝秋は微笑み、目元が輝きを帯びた。

藤原修の眉の形が和らいだ。「ああ」

「私も帰るわ。じゃあ、夜に」時枝秋は笑いながら言った。「先に行くわね」

彼女がバッグを持って出て行くと、藤原修の表情は深遠さを帯びていたが、感情は穏やかだった。

時枝秋が慈仁病院に着いた時、病院の裏庭はすでにゴミで埋め尽くされていた。

時枝お爺さんは目が見えなくなってから気性が荒くなっていたが、今日はさらに爆発していた。

しかし時枝家は彼が一から築き上げたもので、今でも絶対的な株式を保有しており、誰も彼の意思に逆らうことはできなかった。

すでにゴミ処理場に送られていたすべてのゴミが戻され、時枝お爺さんの看護師たちは数十人の清掃員と共に、20ミリリットルにも満たないその目薬を探していた。

時枝清志は浜家秀実を非難したが、浜家秀実は後悔するどころか、時枝秋を責め始めた。「何の効果もない目薬なんか持ってくるなんて!本当に厄介者ね!」

時枝秋を見かけた途端、彼女の表情は険しくなった。

時枝清志はゴミを探すのを監督し、時枝雪穂は浜家秀実に付き添っていた。

幸いなことに、大勢で探した結果、ついにその目薬を見つけることができた。

時枝清志は目薬を洗浄し、急いで病室に向かい、入り口で時枝秋と出くわした。

時枝清志は小さな目薬を手に握りしめ、不満がないわけではなかった。

この件で、今日はすでに二つの会議をキャンセルしていた。