第71章 ブスがまた貢いできた

時枝秋はすぐに自分の服に着替え、藤原修と一緒に病院を後にした。

出る時、院長が赤司先生を探し回っているのが聞こえた。

「必ず赤司先生を見つけ出すんだ!急いで、急いで、見つかったらすぐに私に報告するように!」

病院中が赤司錦を探す人々で溢れていた。

しかし、彼女の行方を知る者は誰もいなかった。

……

藤原千華の手術を終えた時枝秋は、番組に戻った。

前回の連続バトルの後、彼女は既に人気選手となっていた。

ネット上では彼女の容姿を醜いと言い、その醜さが話題になっているにもかかわらず、彼女のファンはますます忠実になっていった。

彼女は専用のQバージョンの応援写真まで持つようになった。

写真の彼女はマスクをつけており、マスクには深い傷跡があったが、それは少しも彼女の雰囲気を損なわなかった。

「自分らしく」が彼女のファンのスローガンとなった。

彼女の人気は短期間で、小林凌さえも圧倒した。

小林凌は今、非常に怒っていた。

木村雨音が脱落し、時枝秋が徐々に彼との関係を断ち切っていく中、この人気スターである彼は、時枝秋の口元の傷跡にも及ばなかった!

時枝秋が選んだ歌を見ると、どの歌詞も奔放で、新しい人生を歩もうとする意味が込められており、完全に彼との関係を切り離そうとする意図が見えた。小林凌の心は晴れたり曇ったりと定まらなかった。

休憩室に時枝秋が現れるのを見て、彼は急いで近づいた。「時枝秋、一体どういうつもりなんだ?」

「何がどういうつもりって?」時枝秋はコーヒーを持ち、目には少しの温もりもなかった。

これは完全に見知らぬ時枝秋だった。

愛情の欠片もない時枝秋。

小林凌には受け入れられなかった。

たとえ彼が先に心変わりして時枝雪穂を選んだとしても、時枝秋がこんなにも早く諦めるなんて?

これは男としての自尊心を深く傷つけた。

彼は納得できなかった!

「何を言っているのか、分かっているだろう!」小林凌は不機嫌な低い声で言った。

「申し訳ありませんが、私には何も分かりません」

「時枝秋!」小林凌は歯ぎしりしながら、「そんなに堕落して、藤原家のあの年寄りで醜い男と一緒にいたいのか?」

年寄りで醜い?

時枝秋は少し考えた。ああ、木村雨音は誰にも藤原様の容姿について話していなかったのだ。