木村雨音は笑いながら見ていた。「亮麗の人はよく分かっているわね。すぐに話題を盛り上げたわ」
横澤蕾は言った。「あなたの撮影の公式発表も出すべきね」
すぐに、木村雨音のツイッターには今日の撮影のメイキング映像と共に、「自分に合うものを選ぶことが一番いい!」というキャプションが投稿された。
木村雨音はマスクをしていたものの、とても美しく撮影され、非常に高級感があった。
そのため、彼女のファンたちは次々と絶賛のコメントを投稿した。
亮麗は元々普通のブランドで、少し知名度があるだけだった。普段の広告撮影やスポンサー発表も目立たなかったが、今回は時枝秋の話題に便乗して、一気に大手ブランドのような存在感を示した。
周防社長は木村雨音と契約したことが賢明な判断だったと深く満足し、木村雨音の話題性も一気に上昇した。
#石ちゃんの嫉妬#というハッシュタグも、すぐにトレンド入りを果たした。
トレンドの下のコメントはすぐに数千件に達し、仕事を得られなかった時枝秋がツイッターで感情を発散していることを揶揄するものばかりだった。
「このようなアーティストは、デビューを急がず、まず道徳の本でも読むべきでしょう」
「このマスクの下が一体誰なのか知らないけど、正式デビューもしていないのにこんな態度」
「はっ、石ちゃんどころか、ただのガラクタ、くさい石!」
「雨垂れ石を穿つ、この諺が教えてくれるように、最後に笑うのは誰かわかるでしょう!」
時枝秋は木村裕貴にメッセージを送った。「トレンドを削除するのにお金を使わないで。このままでいい」
木村裕貴は確かにトレンドを削除しようと考えていた。
時枝秋の行動がどんなに間違っていても、結局は自分のアーティストだ。
しかし時枝秋が言い出したので、彼も我慢するしかなかった。
正直なところ、今の時点で彼は時枝秋に気を配っているものの、まだ完全には状況を把握できていなかった。
木村雨音はこうして時枝秋という石を踏み台にして、再び飛躍を遂げ、より多くの人々に、復活戦を通じて再び準決勝に進出したことを知らしめた。
「まだ見込みがないわけではないな」小林凌は木村雨音の今回のパフォーマンスに、まずまず満足していた。
横澤蕾は笑って言った。「あなたの従妹なんだから、そんなに悪いわけがないでしょう」