彼女の瞳の中で、木村雨音の悪質な行為が露わになり、卑劣で恥知らずな姿がより一層鮮明になっていった。
木村雨音は胸が激しく上下し、口を開こうとしたが、一言も発することができなかった!
彼女にはただ、時枝秋が自分を陥れたということだけがわかっていた!
時枝秋は最初から自分を陥れる準備をしていたのだ!
なのに自分はその罠に見事にはまってしまった!
弁護士が話し終えると、夏目休は一秒も長居する気がなく、足早に立ち去った。
木村雨音の前を通り過ぎる時、彼は足を止めた。
「お前か?」夏目休は疑問形で尋ねたが、その口調は異常なほど確信に満ちていた。
彼は小林凌とはあまり接点がなかったが、木村雨音のことは気に入っていて、自分のスタジオで何度か会っていた。
彼女には十分な時間と機会があり、彼の曲を盗むことができた。