第140章 「次回って言ったの?」

時枝秋は藤原修が来ないはずがないことを知っていた。

前世でも今世でも、彼との約束を破ってきたのは彼女だけだった。

藤原修が約束したことは、一度も違えたことがなかった。

「彼は来るわ」時枝秋は小声で言った。

「赤司先生、どうしてわからないんですか?藤原さんはあなたを受け入れたくないけど、かといって敵に回したくもない。だから、こうやって優しく切り捨てているんです」大島専務は本当に彼女が不憫でならなかった。

妖精のように美しい女性なのに、自分なら大切にしまっておきたいのに、藤原修はこんな扱いをするなんて?

彼は自分を指差して言った。「赤司先生、この世には素敵な男性がたくさんいますよ。一本の曲がった木に執着する必要はありません」

時枝秋は彼を一瞥もせず、まつげさえも動かさなかった。「待ちきれないなら、先に帰ってもいいわ」

大島専務が帰るはずがない。自分の妖精ちゃんを守らなければ!

傷つけられた彼女の最強の後ろ盾になるんだ!

大島専務が顔を上げると、突然まぶしい光に目が眩んだ。

レストランのドアが開き、背筋の伸びた藤原修が入ってきた。上質なオーダーメイドスーツに身を包み、その体型を際立たせ、高く堂々とした姿は玉樹のごとく風に靡いていた。

長い脚を踏み出して歩くたびに、スラックスの下の筋肉の力強いラインが浮かび上がるようだった。

神々しい長い脚は、ランウェイのモデルよりも魅力的で、一瞬、大島専務でさえその西洋スーツの前にひれ伏したくなるほどだった。

しかし、その表情は冷たく厳しく、誰も彼の目を直視する勇気がなかった。

「来た!来ましたよ!」大島専務は時枝秋を突いた。

冷たい雰囲気を纏って近づいてくる彼を見て、大島専務は自分の妖精ちゃんが、藤原修に公然と拒絶され、恥ずかしさのあまりその場を去ることになるのではないかと本当に心配だった。

だから今、彼は時枝秋以上に緊張していた。

藤原修は周囲を見回した後、正確に時枝秋の姿を捉えた。

少女はまだスマートフォンを握りしめ、物思いに沈んでいた状態から顔を上げ、輝く瞳に一瞬の戸惑いが過ぎった後、彼を見つけると星のような光を宿した。

藤原修の表情は一瞬にして柔らかくなった。

彼の大切な少女!

彼は大股で近づいてきた。

大島専務は反射的に立ち上がった。