彼女はまだ彼とデートしたいの?!
彼の女の子が、まだ彼とデートを続けたいの?!
「そうよ。でも、次のことは次の機会に話しましょう。今日は今日のことを話すわ」時枝秋は微笑むと、まるで花が咲いたかのように輝いた。
大島専務は彼女の笑顔に再び魅了され、その場に立ち尽くした。彼女は十分に美しいと思っていたが、こんなにも美しい表情があるとは思いもしなかった……
それは愛する人にだけ見せる笑顔だった。
大島専務は時枝秋のことをよく知らなくても、彼女が藤原修の前で見せる輝きを理解した。
藤原修は冷ややかな目つきでようやく大島専務を見た。「君は?」
大島専務は「……」
なんと藤原修はここに人が増えていたことすら気づいていなかったのか!
時枝秋が紹介した。「彼は姉の病院の大島会長の息子よ。私たちは大島専務って呼んでるの。彼は私たちの恋愛を見に来たの」
大島専務は「……」
なんと妖精ちゃんは自分の名前すら知らないのか?
藤原修は彼が恋愛を見に来たと聞いて、特に気にする様子もなかった。自分と時枝秋は堂々と付き合っているのだから、人に見られても構わない。
しかし、時枝秋が恋愛と言った?
藤原修ののどぼとけが動いた。彼女は自分と恋愛しているのか?
夢にも思わなかったことを、時枝秋が自ら口にした。
彼の女の子は、どうしてこんなにも愛らしいのだろう?
彼は抑えきれない気持ちで時枝秋を見下ろした。彼女の笑顔には純粋さが溢れ、目尻が少し上がり、彼の心の中の甘い思いを全て引き出してしまった。
彼は薄い唇を少し噛み、時枝秋に近づき、そっと彼女にキスをした。
少女は拒むどころか、むしろ積極的に彼に寄り添った。
彼女の香りは清らかで甘く、上品で、まるであのヤオランのエッセンスのようだった。
彼は最初、自分の心臓だけが胸から飛び出しそうなほど激しく鼓動していると思っていた。
しばらくして、彼女の心臓も同じように速く打っていることに気づき、藤原修は驚きの表情を見せた後、目を閉じ、瞳の奥に渦巻く欲望を隠した。
大島専務は虐められすぎて天にも昇る思いで、どうやってレストランから出たのかも分からないほどよろめきながら立ち去った。
藤原修と時枝秋は離れた。
時枝秋はそこで思い出した。自分がまだ昼食を食べていないことを。