第144章 みんなで生まれ変わらないといけないの?

番組のバックステージ。

重岡尚樹が上座に座っていた。

木村裕貴と紺野広幸が左側に座っていた。

右側には石田亮二のマネージャーと安藤誠がいた。

木村裕貴は髪の毛まで不満そうだった。「この番組は最初から素顔を見せないというルールがあったはずです。今回の金のやり方は、石ちゃんに対して極めて不公平です!」

石田亮二のマネージャーが言った。「でも、私たちに故意はありませんよ。パパラッチの件は、誰にもコントロールできないでしょう?」

「故意じゃないって、誰が信じますか?」木村裕貴は遠慮なく言い放った。

石田亮二のマネージャーはテーブルを叩いて立ち上がった。「証拠があるんですか?証拠もないのに人を誹謗中傷するのはやめてください!」

紺野広幸は木村裕貴を引っ張って座らせた。

木村裕貴は怒りながら座ったが、なおも食い下がった。「こんな状態で競争を続けるなんて、公平・平等の原則が完全に失われています!」

「私たちは既に各メディアに連絡を取り、自腹で写真を全て削除させました」石田亮二のマネージャーは非常に悔しそうで、その出費を惜しんでいるようだった。

「でも、金のファンコミュニティはもう立ち上がっていて、メンバー数は数十万人を超え、さらに話題も拡散しています」木村裕貴は時枝秋のマネージャーになってから、これほど時枝秋のことを気にかけたことはなかった。

しかし、初めて直面した問題が、こんなにも厄介なものだった。

今回の石田亮二の件は非常に巧妙で、把柄を掴めない。この競争は始まったばかりだが、時枝秋は既に不利な立場に立たされていた。

石田亮二のマネージャーは笑いながら言った。「うちの金が美形だからしょうがないでしょう!」

「あなたは!」今度は木村裕貴がテーブルを叩いた。

「わざと不細工になれとでも言うんですか?それが石ちゃんへの公平というなら、みんな生まれ変わらないといけないですね?」

木村裕貴はテーブルを飛び越えて殴りかかろうとしたが、紺野広幸にしっかりと押さえつけられた。

安藤誠は手を振って言った。「もう状況は既成事実となっています。これ以上話し合っても無駄でしょう。金の件も彼の責任ではありません。この辺で手を打ちませんか?」

「石ちゃんにこれだけの被害が出ているのに、このまま終わらせるんですか?」

安藤誠は困ったように木村裕貴を見た。